2026-27シーズンのNBAが開幕しました!
スパーズの開幕戦の相手は、昨季の西地区決勝で激闘を繰り広げたサンダー。王者を目指す両チームの対戦は、今季の西地区を占ううえでも注目の一戦となりました。
試合は104-116でスパーズが敗戦。前半に大きなリードを許したものの、後半には反撃を見せ、一桁差まで詰め寄りましたがあと一歩が届かず力尽きました。
しかし、今回の試合で注目したいのは、単なる勝敗だけではありません。
サンダーはスパーズの攻撃をどのように封じたのか。ウェンバンヤマの得点が伸びなかった理由は何だったのか。そして、今季から本格的に取り組む3ガードは機能したのでしょうか。
今回は、開幕戦を振り返りながら、スパーズが抱える課題と今後に向けた期待を分析します。
1. スパーズ対サンダーの開幕戦を振り返る
まずは、試合結果と主なスタッツを確認しましょう。
| 項目 | スパーズ | サンダー |
|---|---|---|
| 最終スコア | 104 | 116 |
| フィールドゴール成功数 | 36/93 | 43/95 |
| フィールドゴール成功率 | 38.7% | 45.3% |
| 3ポイント成功数 | 10/37 | 14/31 |
| 3ポイント成功率 | 27.0% | 45.2% |
| リバウンド | 45 | 47 |
| アシスト | 21 | 24 |
※NBA公式ボックススコアを参考に作成。
スパーズはリバウンドでは大きく引き離されなかったものの、フィールドゴール成功率と3P成功率でサンダーに差をつけられました。
特に3Pは、スパーズが37本中10本成功で成功率27.0%だったのに対し、サンダーは31本中14本成功で45.2%。成功数だけでなく、効率にも大きな差がありました。
個人では、キャッスルがチーム最多の24得点、ハーパーが18得点、フォックスが14得点を記録。3ガードは合計56得点を挙げました。
一方、ウェンバンヤマは12得点、13リバウンド、6ブロックを記録したものの、フィールドゴールは13本中1本成功にとどまりました。
攻撃では苦しんだウェンバンヤマですが、6ブロックという数字からも、守備面での存在感は健在だったといえます。
では、なぜスパーズはこれほど苦しい試合になったのでしょうか。
2. サンダーのスカウティングが上回った3つの理由
今回の試合を見て、個人的に最も印象に残ったのは、サンダーがスパーズの特徴を把握したうえで、攻守両面から対策を講じていたことです。
① キャッスルの外角の警戒を薄くし、スペースを消す
まず気になったのが、キャッスルに対する守り方です。
サンダーはキャッスルの外角への警戒を薄めて、ドライブを簡単に許さないことを優先し、ペイント付近に守備を集めているように見えました。たとえキャッスルが3Pを連続で決めたとしてもその戦略は崩しませんでした。
キャッスルがボールを持っても、ディフェンダーが大きく距離を詰めない場面があると、守備側はその分だけゴール下やウェンバンヤマの周辺に人員を割けます。
これはスパーズにとって厄介な問題です。
キャッスル、フォックス、ハーパーの3人を同時に起用するメリットは、ボールを運べる選手やドライブで仕掛けられる選手を増やせることです。しかし、相手が外角シュートを強く警戒しなければ、せっかくのドライブ能力も生かしにくくなります。
3ガードを機能させるためには、単純に3人が得点するだけでは不十分です。
オフボールでのカッティング、スクリーンを使った動き、ボールを持たない選手の位置取りなど、相手の守備を動かす工夫が必要になります。
興味深かったのは、キャッスルがこの試合で3ポイントを12本中5本成功させ、成功率41.7%を記録した点です。
相手が距離を空ける守り方をしても、キャッスルは積極的にシュートを放ち、結果を残しました。それでもサンダーが守備方針を大きく変えなかったように見えたことは、今後の対戦でも考えるべきポイントです。
もちろん、1試合の成功率だけでキャッスルのシュート力を評価することはできません。しかし、相手に「距離を空けて守るのは危険だ」と思わせることができれば、フォックスやハーパーのドライブ、さらにはウェンバンヤマへのパスも生きてくるはずです。
そこで個人的に試してほしいのが、ドリブルハンドオフを活用した攻撃です。
ボールを持つ選手からシューターへ手渡すようにボールをつなぎ、スクリーンも組み合わせれば、ディフェンダーの判断を遅らせ、シューターがフリーになる状況を作れる可能性があります。
3ガードの成功には、個人の得点力だけでなく、3人が同時にコートにいることで生まれるスペースをどう活用するかが重要だと感じました。
② ウェンバンヤマのロールダイブを簡単には許さない
次に注目したいのが、ウェンバンヤマへの守備です。
スパーズがP&Rを仕掛け、ウェンバンヤマがゴールに向かってダイブする場面では、サンダーはウィークサイドからサイズのあるヘルプディフェンダーを寄せ、簡単にパスを通させない守りを見せました。ホルムグレン、ハーテンシュタイン、アダイ・マラの3人のローテーションは脅威でした。
ウェンバンヤマは高さと長さを生かして、リング付近でパスを受ければ大きな脅威になります。しかし、サンダーはその得意な形を簡単には作らせませんでした。
ボールを持つ選手がドライブするスペースを狭め、ウェンバンヤマへのパスコースにもヘルプを置く。これでは、ボールを持つ選手もウェンバンヤマも、いつものようにプレーすることが難しくなります。
ウェンバンヤマがフィールドゴール13本中1本に終わったことは、本人のシュートタッチだけで説明できるものではないでしょう。相手の守備によって、シュートを打つ位置やタイミング、ボールを受ける状況が制限されていた点も考える必要があります。
今後は、スクリーンの角度やタイミングを変える、ウェンバンヤマがボールを受ける位置を工夫する、反対側の選手がカットしてヘルプを引きつけるなど、複数の選択肢を用意したいところです。
ウェンバンヤマにボールを渡せば何とかなる、という攻撃では、サンダーのような守備力の高いチームを崩すのは簡単ではありません。
③ スパーズのローテーションを上回るボールムーブメント
サンダーのボールムーブメントが非常に印象的でした。
スパーズはウェンバンヤマのリムプロテクトを生かすため、ゴール下への侵入を抑えることが重要です。しかし、相手のドライブを止めるためにヘルプを出せば、その分だけ別の場所にスペースが生まれます。
サンダーは、そのスペースを見逃しませんでした。
ボールを持つ選手に複数の守備者が寄れば、素早くパスを展開する。守備がローテーションすれば、さらに次の選手へとボールを動かす。こうしてスパーズの守備を動かし、オープンなシュートを作っていました。
サンダーは3Pを31本中14本成功させ、成功率は45.2%。マケインもベンチから20得点、3P8本中6本成功という素晴らしい活躍を見せました。
もちろん、相手のシュートがよく決まったこともあります。しかし、フリーに近い状態でシュートを打たせてしまえば、相手の好調を助けることになります。
私には、昨季のファイナルでも課題になったような、守備のローテーションが間に合わず、最後にオープンシュートを許す場面が重なったように見えました。
個人の守備力だけでなく、誰がヘルプに出るのか、どの選手を優先的にカバーするのか。その判断と連係を、チーム全体で改善する必要がありそうです。
3. ウェンバンヤマのオフェンスはどう改善できるか
今回、攻撃面で最も気になったのはウェンバンヤマのシュートセレクションです。
フィールドゴール13本中1本成功という数字は、彼にとって厳しい結果です。ただし、1試合のスタッツだけで能力を疑う必要はありません。重要なのは、なぜ難しいシュートが増えたのか、どうすれば良い形で得点できるのかという点です。
ウェンバンヤマは高さがあるため、ボールを持てば相手の上からシュートを打てる場面もあります。しかし、相手が準備した状態で1対1を仕掛けるだけでは、守備側に対応される可能性も高くなります。
個人的には、ウェンバンヤマにボールを渡すまでの過程を、もっと工夫してほしいと感じました。
例えば、スクリーンを使って相手の守備をずらしてからボールを入れる、ペイント内で有利な位置を取ってからパスを出す、逆サイドで守備を動かしてから攻撃するなど、ウェンバンヤマがP&Rのハンドラーになるなど優位性を作る方法はあります。
また、ウェンバンヤマ自身も、相手の守備が集まったときに無理にシュートを打つのではなく、味方へパスを出して次の展開を作ることが重要です。
以前の記事でもウェンバンヤマの分析をしています、参考にしてください👇

彼が得点を量産できることはスパーズ最大の強みですが、相手が対策を練ってくる以上、得点以外の形でも攻撃に影響を与えられる選手になることが求められます。
今回の試合は苦しい内容でしたが、今後の成長につながる課題が明確になったともいえます。
4. 3ガードは可能性を見せたのか
今季のスパーズを語るうえで、フォックス、キャッスル、ハーパーの3ガードは大きな注目ポイントです。
開幕戦ではキャッスルが24得点、ハーパーが18得点、フォックスが14得点を記録し、3人合計で56得点を挙げました。
この数字だけを見れば、3人の得点力には十分な可能性があります。
一方で、チーム全体の3P成功率は27.0%。3人が同時にコートにいることで、相手にスペースを狭められる場面もありました。
3ガードを起用する場合、ボールを持っていない選手がどのように動くのかが重要です。3人全員がボールを持って攻めるだけでは、攻撃の流れが止まってしまいます。
ボールを持たない時間にスクリーンをかける、空いたスペースへカットする、外角シュートで相手を引きつける。こうしたプレーが増えれば、3人のドライブ能力もさらに生きてくるはずです。
また、3ガードを使うことで守備面のミスマッチが生まれる可能性もあります。攻撃だけでなく、相手のサイズやポジションに応じた守備の組み合わせも考えなければなりません。
個人的には、開幕戦だけで3ガードの成否を判断するのは早いと思います。3人の得点力は魅力的ですし、試合の中で追い上げを見せたことも収穫です。
ただし、今後は「3人が何点取ったか」だけでなく、3人が同時に出場したときにチーム全体の攻撃が機能しているかに注目したいと思います。
5. 第2ユニットの時間帯に見えた課題
もう一つ、個人的に気になったのが第2ユニットの時間帯です。
今回の試合では、ケルドンがプラスマイナス-12、コーネットが-10、ブライアントが-6という数字でした。また、昨季先発出場したシャンパニーも-24を記録しています。
もちろん、プラスマイナスは選手がコートにいる間のチームの得失点差を示す数字であり、個人の能力や責任をそのまま表すものではありません。対戦相手や一緒に出場した選手、出場した時間帯によっても大きく変わります。
ただ、チームとして苦しい時間帯があったことを考える材料にはなります。
対照的に、サンダーはマケインが20得点を挙げたほか、カルーソも守備で強度を保ち、ベンチから試合の流れを支えました。
スターターだけでなく、控え選手が出場する時間帯にも攻撃の形を維持し、守備の連係を崩さないことは、長いシーズンを戦ううえで非常に重要です。
スパーズはウェンバンヤマがコートにいない時間帯にどう守るのか。フォックス、キャッスル、ハーパー、ウェンバンヤマが休んでいる間、誰が攻撃を組み立てるのか。どの選手を組み合わせれば、攻守のバランスが良くなるのか。
こうした点は、今後のローテーションを考えるうえで注目したいポイントです。
まだ開幕戦の1試合だけなので、ベンチメンバーの評価を急ぐ必要はありません。しかし、サンダーのように控え選手も試合の流れを変えられるチームと戦うには、第2ユニットの成長が欠かせないでしょう。
6. 敗戦から見えた収穫と次戦への期待
開幕戦は敗戦となりましたが、スパーズにとって悲観するだけの試合ではなかったと思います。
前半は攻守ともに苦しみ、最大26点差をつけられました。それでも後半には反撃し、最後まで点差を縮めようとする姿勢を見せました。
キャッスルは24得点を記録し、ハーパーも18得点。フォックスを含めた3ガードが合計56得点を挙げたことは、攻撃面での可能性を感じさせます。
一方で、改善すべき点もはっきりしました。
- キャッスルの外角シュートの決定率やドリブルハンドオフの検討
- ウェンバンヤマが有利な位置でボールを受けられる攻撃を作ること
- 相手のボールムーブメントに対応できる守備のローテーションを身につけること
- 第2ユニットの時間帯にも、攻守の強度を維持すること
サンダーは昨季の西地区決勝で敗れた相手に対し、開幕戦からしっかりと対策を示しました。シュート力だけでなく、相手の強みを消す守備、素早い判断、ベンチメンバーの貢献など、完成度の高さを感じる試合でした。
それでも、スパーズが後半に反撃し、試合を最後まで戦い抜いたことは前向きに捉えたい部分です。
仮に今回のような課題がシーズンを通して残るのであれば、優勝を目指すうえで大きな壁になるでしょう。しかし、開幕戦で課題が見えたことは、修正するための出発点にもなります。
ウェンバンヤマを中心とした守備、3ガードの攻撃力、若手選手の成長。スパーズには大きな可能性があります。
今回の敗戦を次につなげ、サンダーのような強豪にも対応できるチームへ成長していけるのか。10試合程度を目安に変化があるかチェックしていきたいです。
今後の試合では、勝敗だけでなく、今回見えた課題にどのような修正を加えてくるのかにも注目していきたいと思います。
皆さんは、開幕戦で最も気になったスパーズの課題は何でしたか?
3ガードの組み合わせ、ウェンバンヤマの攻撃、守備の連係、第2ユニットなど、ぜひコメントやXで意見を聞かせてください!
次戦は10月24日 10時30分(日本時間)VS ロケッツ 今季初勝利が見たい!
Go Spurs Go!


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